【徹底解説】リーガルオペレーションとは?

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リーガルオペレーションとは

Contract Life-Cycle Management

リーガルオペレーション(英:Legal operations, Legal ops)とは、法務部門がクライアントに対して、より効率的に法務サービスを提供するための仕組み・活動、専門家のことです。リーガルオペレーションは、戦略的計画、財務管理、プロジェクト管理、技術に関するノウハウを提供し、法務パーソンが法的アドバイスの提供に集中できるようにします。

“Legal operations” (or legal ops) describes a set of business processes, activities, and the professionals who enable legal departments to serve their clients more effectively by applying business and technical practices to the delivery of legal services. Legal ops provides the strategic planning, financial management, project management, and technology expertise that enables legal professionals to focus on providing legal advice

https://cloc.org/what-is-legal-operations/

リーガルオペレーションという用語にはいくつかの定義がありえますが、本メディアではリーガルオペレーションという用語を、「(組織における)法務部門の業務の遂行方法」という意味合いで利用しています。

リーガルオペレーションの例

契約審査

契約審査は、リーガルオペレーションの典型例です。通常会社が契約を締結する場合には、法務部門(ない場合には経営陣)による契約書の内容の確認が行われます。その上で、自社に不利な条項がある場合には交渉をする必要があります。

契約の内容によっては、弁護士にサポートを依頼することもあります。このプロセスもリーガルオペレーションに含まれます。

契約締結

契約締結は、必ずしも法務部門が対応するとは限らないため、リーガルオペレーションに含めるかは議論の余地があります。実務的には、契約審査から一連のフローとなっていることが多いため、本メディアでは、リーガルオペレーションに含まれるものとして扱います。

契約管理

契約の管理も、必ずしも法務部門が対応するとは限りませんが、これもリーガルオペレーションに含まれるものとして扱います。具体的には、締結された契約を類型ごとにタグ付けして整理したり、更新の期日管理を行ったり、あるいは契約で合意した事項を執行したりするプロセスをここに含めることもあります。

取引先調査

取引開始にあたり、取引先の信用調査や、反社会的勢力でないことの確認を法務部門が担当していることが多いのではないでしょうか。このプロセスも、リーガルオペレーションに含まれるものとして扱います。

債権回収

取引先が支払いに応じない場合、法務部門が債権回収を担当することがあります。そのため、債権回収に係わるプロセスもリーガルオペレーションに含まれるものとします。

その他

他には、株主総会・取締役会の開催、議事録の作成等を法務部門が担当していることがあります。これらも、リーガルオペレーションの一部とみなすことができるでしょう。

リーガルオペレーションの変遷

リーガルオペレーションの方法や手段は、業界の進化やテクノロジーの発展にあわせて変化してきました。

PCの普及以前は、契約書のドラフトを手書きで作成することもありました。取引先や依頼部門とのやり取りは、手渡しやFAX、郵便での送付が一般的で、多くの時間と労力を要していました。

オフィスへのPC導入が進むにつれ、Wordをはじめとする文書作成ソフトウェアで契約書を作成することが日常的になりました。またそれに伴い、法務部門外の組織との文書のやりとりは、紙ではなくデータをもとに行われるようになりました。

さらに1人1台ずつのPC支給が当たり前になると、コミュニケーションの手段はメールへと移り変わり、ほとんどの文書のやり取りもメールで行われるようになりました。

結果として、やり取りされる文書の量が急激に増加したことにより、文書管理システムのニーズも生まれてきます。企業は文書管理のパッケージソフトウェアを購入したり、システムを内製化したりなどして対策してきました。

そして近年では、SaaSビジネスが盛り上がりを見せています。業務に必要なサービスをクラウド上で利用し、使用料を払うという利用形態は機動性と利便性が高く、リーガルオペレーションの領域でも、パッケージソフトからSaaS型サービスの導入に踏み切り、業務をより効率化しようとする企業が多く出てきています。

このように、リーガルオペレーションの担当者は、進化するビジネスニーズに適応できるテクノロジーソリューションを戦略的に選定し、よりよい業務フローの検討を続けていく必要があります。

自社にとって最適なリーガルオペレーションとは

リーガルオペレーションは、企業によってそれぞれ最適な方法や手段が異なります。法務組織の規模によっては、リーガルオペレーションを担当する専門スタッフを配置することが難しい企業もあるでしょう。その場合、法務部門内にプロジェクトチームを立ち上げ、法務担当者の日常業務としてリーガルオペレーションに取り組めるようにすることが重要です。

では、自社にとって最適なリーガルオペレーションを見つけるにはどうすればよいのでしょうか。The Corporate Legal Operations Consortium(CLOC)というリーガルオペレーションに関する世界的な専門家組織は、12分野に分けてリーガルオペレーションの考え方を紹介した「THE CLOC CORE 12」を公開しています。

もちろん、国や企業によって状況や考え方は異なるため、そのまま自社組織に当てはめるというわけにはいきませんが、こうしたモデルを参考にしながら、各社オリジナルのリーガルオペレーションの方法を構築していくことが大切です。

参考書籍

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